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2006/05/30
一部のマスコミ等で誤った報道がなされていたため、国民に不安が広がってしまった感のある「共謀罪」=「組織犯罪共謀罪」ですが、衆議院の法務委員会での質疑や参考人のご意見を十分に踏まえて、与党修正案の再修正案を5月19日に正式に提出させていただきました。
組織犯罪共謀罪の対象となる団体はあくまで組織犯罪集団であって、労働組合等の団体には適用されないこと、単なる「共謀」だけでは処罰せず、共謀後の客観的な「犯罪の実行に必要な準備その他の行為」の存在を処罰条件とすることによって、処罰対象行為の明確化、限定化を図ったこと、留意事項をさらに詳細にし、捜査当局の拡大解釈、乱用を防ぐためのより確かな歯どめを設けること等が修正の内容です。法務委員会では、この再修正案の提出によって、法案についての審議が尽くされているとして、いつでも採決ができるようになっておりました。しかし、5月18日、河野洋平衆議院議長から与野党の国対委員長に対し、「国際組織犯罪防止条約の締結のために、必要な国内法の整備であるので、与野党間において、さらに共同修正のための協議を続けていただきたい」との要請があり、更に協議を続行することと致しました。その後5月18日から5月26日までの間、自民党の法務委員会理事である私と民主党の高山智司理事との間で、連日のように共同修正のための協議を丁寧に続けてまいりました。しかし、民主党側からは5月24日に至って「共謀罪の課題」という文書が提出されただけで、ついに共同修正に向けての具体的な提案が出されませんでした。そのような協議進行状況を踏まえ、5月26日の法務委員会の理事会で石原伸晃委員長から、「共同修正協議の実現可能性」をさらに追求するため、5月30日を目途に、与党側が3名、野党側から3名のそれぞれ法曹資格を有する専門家による実務者協議を開催することの提案がなされました。衆議院議長の共同修正協議の要請に引き続いて、法務委員会から実務者協議の開催の提案がされるということは極めて異例の事態ですが、これは組織犯罪共謀罪の創設を含む条約刑法の問題がそれほど重要な課題であるという認識が関係者の間に共通してあるということだと思います。これまで共同修正の実現に向けて様々に汗を流し、知恵を絞ってきた私としては、石原委員長から「実務者協議の提案」がなされたことを大変ありがたく思っております。早速5月26日、実務者協議開催のための準備会を開き、5月29日、第一回の実務者協議を行いました。与党側から自民党理事の私、倉田理事、公明党の漆原理事、民主党側からは、平岡理事、高山理事、細川律夫委員の計6名が出席し、協議会を開催し、私が司会を務めさせて頂きました。与党側から約20ページに渡る説明文書を提出し、さらに追加の説明書を提出しましたが、残念ながら民主党側からは口頭で様々な質問が繰り広げられるだけで、現時点では、はたして共同修正の協議が整うか疑問ですが、法務委員会の理事会に十分の報告ができるよう、精一杯努力する所存です。
世界の120カ国が何らの留保なしに国際組織犯罪防止条約を締結し、世界の国々が国際組織犯罪集団に対し連携して対処しようという国際情勢の中で、わが国だけが条約が求めるのとは異なった法制を採用して、国際組織犯罪対策のネットワークの「弱い環」になってしまうことは何としても避けなければならないと思っておりますが、条約に抵触しない限度で、与野党の共同修正案の実現に向けて、最後の、かつ最善の努力をして参りたいと存じておりますので、よろしくお願い申し上げます。